2010年06月19日

アメリカの住宅を見てきた・・・36

 アメリカの住宅視察記も、#36でようやくビバリーヒルズにたどり着いた。ある意味ではもっとも楽しみにしていた場所である。高級住宅街としてのイメージは、日本にもしっかりと届き根付いている。
 しかも、実際に住んでいる地域をこうして訪ねるのであり、戸建て住宅を本懐とする自分にとっては、まさにこの機が視察のクライマックスである。しかし失態をした。集合時間を間違えて、集合に遅れたのである。 (その折は、みなさん大変ご迷惑をおかけしました。)

houses_bH


 さて、そのビバリーヒルズの街を歩いてみると、ちょっと予想とは違った感覚を味わった。正直言って本当の豪邸街には興味がなかったかも知れない。その意味では丁度良い地域であったと思う。しかし、資産価値と街づくりの話をたくさん聞いて期待していると、そのことに関してはすっかり裏切られた感があった。
 単純に言えば、街づくりの観点では住宅そのものに合理的な共通点を見いだすことができなかったということだ。それほど、冷静に見ればちんどん屋の様に家が並んでいたということである。しかも、米国らしさの家ばかりではない。

 純粋な家が建ち並んでいる姿は、ふと、日本にも似ている光景があると感じた。残念ながらどこかの街なみではない。それは総合住宅展示場である。全国に500近くもあると言うから、身近なところにいくらでもあるに違いない。その住宅展示場である。
 住宅展示場にある風景の大きなポイントが2つある。もちろん多くの展示場にたてられている住宅は、大きな家が多いのであるが、それ以外のポイントである。



 1つは、お客様の通る全面の通路に対して正面を向ける配置にしてあるということ。展示場であるから、なるべく良い顔をお客様に見ていただこうとしている。そのために方位は関係ない。これが一般的な住宅街でも米国では通常である。ただし、良い顔を見せようとしているのではなく、通りとしての価値を高めるための手法である。と、以前から聞いていた。
 日本ではとにもかくにも、家を南向きに建てようとする。そもそも窓が広いからそのようにもしたくなる。しかし西洋式の家は窓が小さいので、それほどに太陽の方向にはこだわらないのかも知れない。それ以上に道路に対して開かれている建物が造られているのである。まさにファサードという概念が成り立つ。そしてそのファサードの良さを売り物にしなければお客様に魅力を伝えられない住宅展示場は、奇しくも同じ建てられ方をしているのである。

facade02


 2つめのポイントは、多種多様な住宅が並んでいることである。単純なことでは日本の街なみも変わらないかも知れないが、それ以上に様々な様式が乱立しているように感じる。伝統的な地域でもなければ、日本の街なみは統一されていないと良く言われるが、家の形が統一されていないのであって、よく考えるとそれぞれの部品には個性がない。格子の出窓がついていても所詮は安いアルミの押し出しで作られ、焼き付け塗装をしたものである。間取りや形が違っても結局は同じものに見えてしまう。
 反面、ビバリーヒルズに建っている住宅は実に様々なものであった。コロニアル様式的なものから、まれではあるがジョージアン風のものもある。さらにはモダンな建物も少なくない。そして、アールデコ調の家もある。 先のファサードの問題と同じように、総合住宅展示場では各社の得意とするデザインを表に出すために、期せずして似た風景になっているのである。

fasade01


 書いている内に、もう1つの共通点を見つけた。それは車が見えないことである。当然であるが、住宅展示場には住んでいる人がいないので駐車場に車が止めてあることはない。ビバリーヒルズの街なみも同じである。
 遅刻をしてまで、できる限りの家のデザインを撮影してきたが、もしかしたらやはり住宅そのものの勉強にはならなかったのかも知れない。しかし、それはそれでよい。


tariru0127 at 11:07│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!アメリカ住宅視察 | ぶっちゃけの、住宅余話

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